【3月18日 AFP】米連邦航空局(FAA)は17日、エチオピアとインドネシアで墜落したボーイング(Boeing)737MAX型機の認証過程について、「標準の」手続きにのっとったものとの見解を示した。一方、同機に搭載されていた失速防止システム「MCAS」に関しては現在も調査が進められている。

 FAAはAFPに送った電子メールで、「737MAX型機の認証プログラムはFAAの標準の認可過程に沿ったものだった」と主張し、手続きは「定評を得ており、航空機の設計を一貫して安全にしている」と強調した。

 しかし、同機をめぐっては乗客乗員157人全員が死亡したエチオピア航空(Ethiopian Airlines)機の今月10日の墜落事故、189人が死亡したインドネシア・ライオン航空(Lion Air)機の昨年10月の事故において類似点がみられるとの報告が浮上し、懸念が高まっている。

 当局による調査が続く中、ライオン航空の事故での初期調査の結果ではMCASが誤作動した可能性が指摘されている。また、パイロットたちからはMCASに関して深刻な懸念が持ち上がっていたため、専門家などはFAAの認証過程について疑念を示している。

 さらに米紙シアトル・タイムズ(Seattle Times)の17日付の報道によると、FAAはMCASを含む737MAX8型機の認証過程の一部をボーイングの整備士に委託しており、ボーイングからFAAに提出された最初の安全評価では「複数の重大な不具合」があると報告されていた。

 同紙によるとボーイングは欧州航空機大手エアバス(Airbus)の次世代型中距離旅客機A320Neo型機に遅れを取るまいと、認証過程を性急に進めていた。また、最初の安全評価はエチオピア航空機墜落の11日前に提出されていた。

 FAAは現在調査中だとしてシアトル・タイムズの報道についてコメントを拒否した。FAAは予算削減により、2009年から一部の認証業務を航空機メーカーや外部の専門家に委託している。(c)AFP/Luc OLINGA