【3月18日 AFP】アフリカ南部を襲ったサイクロン「アイダイ(Idai)」による鉄砲水と暴風で、モザンビークと隣国ジンバブエでは17日までに死者が120人以上となり、さらに多数が行方不明になっている。

 アイダイは14日夜にモザンビークに上陸して大きな被害を与えた後、ジンバブエに移動した。ジンバブエ当局は、15日と16日にサイクロンの被害を受けた同国東部で65人が死亡したと発表。一方、モザンビーク当局は同国中部ベイラ(Beira)などでの死者は62人となり、さらに増える見通しだと明らかにした。

 ジンバブエで最も大きな被害を受けた東部のチマニマニ(Chimanimani)では、サイクロンで発生した鉄砲水で家屋や橋が押し流された。なかでも特に被害が大きかった地域は、厚い雲で軍のヘリコプターによる救助活動が妨げられ、いまだに孤立している。

 チマニマニ選出のジョシュア・サッコ(Joshua Sacco)議員は、これまでに65人が死亡し、150~200人が行方不明になっていると語った。公務員向けの集合住宅が洪水にのみ込まれたため、行方不明者の大半は公務員だとみられている。この地域も孤立しているため行方不明者の捜索は進んでいない。

 同議員は「これらの集合住宅はすべてが一瞬にして水中に沈み、文字通り水に押し流され、147人前後が行方不明になっており、非常に心配している」と語り、「とても悲しいことだ。悲惨な事態だ」と述べた。(c)AFP/Adrien BARBIER with Zinyange AUNTONY in Chimanimani