【3月16日 AFP】中国・北京で活動していた米国防情報局(DIA)元工作員の被告が15日、司法取引に応じ、中国に機密情報を売ろうとした罪を認めた。この被告には15年の禁錮刑が科される。米司法省が明らかにした。

 罪を認めたのは、ロン・ロックウェル・ハンセン(Ron Rockwell Hansen)被告(58)。同被告は標準中国語とロシア語を流ちょうに操ることができる元工作員で、昨年6月、機密情報を持って中国行きの飛行機に搭乗する準備をしていたところを逮捕された。

 捜査当局は、ハンセン被告は2013年から2016年まで深刻な金銭トラブルに陥り、米国の機密を渡す対価として中国の情報機関から80万ドル(約8900万円)余りを受け取ったとしている。

 当局によれば、ハンセン被告は中国の情報部員らと定期的に会っていたにもかかわらず一切報告をしていなかった。また、中国側から提供された携帯電話を使ったり、同被告にアクセス権限のない機密情報を保持したりしていた。

 一連の行動は2016年、被告が同僚の情報部員を中国側との取引に引き込もうとした際、この同僚が上司に報告したことで発覚した。

 ハンセン被告は司法取引に応じ、外国政府を支援するために国防情報を収集または提供しようとした罪1件を認めた。この取引により、被告の刑期は15年とされた。(c)AFP