【3月16日 AFP】ケニアの首都ナイロビで開かれていた国連環境総会は15日、2030年までに使い捨てプラスチックを「大幅に削減する」と宣言した。しかし、任意の宣言であるため、環境団体は危機的な地球汚染への対策としては不十分だと警鐘を鳴らしている。

 出席した各国代表は長時間にわたる協議を行い、年間800万トンが海に流出するとされる袋やカップ、カトラリーなどの使い捨てプラスチック製品の削減について合意に達したとみられる。

 宣言では、各国が「持続的でないプラスチック製品の使用と廃棄による生態系への被害に取り組む」とし、「2030年までに使い捨てプラスチック製品を大幅に削減する」と明言した。

 関係筋はAFPに、米国をはじめとする幾つかの富裕国の意向で当初の宣言案より中身が薄くなったと明かした。当初の宣言案には「2025年までに使い捨てプラスチックを段階的に廃絶する」という今回の宣言よりもはるかに厳しい内容が盛り込まれていたが、各国は妥協して合意に達したとみられる。

 世界のプラスチックの年間生産量は3億トン以上に上り、少なくとも5兆個のプラスチック片が海洋を漂っていると推計されている。(c)AFP/Patrick GALEY