【3月15日 AFP】欧州議会(European Parliament)は14日、欧州連合(EU)と米国の貿易交渉への支持をめぐる採決を行い、反対多数で否決した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、EU側が約束を果たさない場合、深刻な結果をもたらすと警告している。

 トランプ氏と欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は昨年7月、米国が鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課したことを受けて会談。新たに関税を課さないことで合意していたが、その中核には限定された貿易協定の実現があった。

 両者の合意で米EU間の緊張は緩和された。これを受けてトランプ氏は、欧州の自動車に高額な関税を課すとの警告をやめていたが、最近になって再開している。

 仏東部ストラスブールで14日に行われた欧州議会の本会議では、EUの交渉指令(negotiating directives)草案をめぐる採決が行われ、一部の議員から修正案が提出されるなどした後、反対223、賛成198、棄権37で否決された。

 これを受けてトランプ大統領はホワイトハウス(White House)で記者団に対し、「彼らがわが国と交渉しないなら、厳しい経済的措置を取るまでだ。流入する多数の製品に関税を課す」方針を示す一方、「おそらく何とかなるだろう。彼らは交渉中だ」とも述べた。

 対米貿易協定をめぐっては独仏間で意見の隔たりがある。ドイツは米国に輸出する自動車への関税を避けるため協定の実現を望んでいる一方、フランスは、米国との貿易交渉を始めれば今年5月の欧州議会選を前に国内で反対の声が強まる恐れがあるとして消極姿勢を示している。(c)AFP