【3月15日 AFP】マレーシアバドミントン協会(BAM)のノルザ・ザカリア(Norza Zakaria)会長は14日、男子の元世界ランキング1位で鼻のがんで戦列を離れている同国のリー・チョンウェイ(Chong Wei Lee)が、完全復帰に向けた調整が思うようにいかずツアー復帰が再び遅れる見通しであることを明かすと同時に、ファンに対して36歳の母国の英雄への「期待値を下げる」ように訴えた。

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 五輪で通算3度の銀メダル獲得を果たしたリーは、初期の鼻のがんと診断されて昨年7月から戦線を離脱している。台湾の専門医の下で過酷な治療を受けながらも現役引退の道は選択せず、今年に入ってからは練習を再開していた。

 当初は今月行われた全英オープン(YONEX All England Open Badminton Championships 2019)で復帰する計画を立てていたリーだったが、予定を遅らせて来月上旬に行われるマレーシア・オープン(CELCOM AXIATA Malaysia Open 2019)で連覇を目指すとしていた。

 ところがザカリア会長は、リーが母国大会を欠場する見込みで、5月に中国で開催される男女混合の国別対抗戦スディルマンカップ(2019 Sudirman Cup)に出場することを目標にしていると明かし、AFPの取材に対して、「マレーシア・オープンでは、彼がプレーしない可能性が非常に高い」と述べた。

「彼は体調が完全に回復しているとは思えない。マレーシア・オープンは非常にハイレベルな大会なので、しっかり調整しなければならない」「ファンは期待値を下げる必要がある」

 リーは以前から競技に復帰するには医師からの完全なゴーサインが必要であると話しており、ザカリア会長によると来週には検査のために台湾へ渡航するという。現在も2020年東京五輪への出場を目指しているリーだが、マレーシアでは自身よりランキングが上位の若手選手がおり、出場権獲得は厳しさを増している。(c)AFP