【3月12日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は11日、カタールの首都ドーハで理事会を開き、国家ぐるみのドーピング違反で2015年から資格停止となっているロシアに関して処分を継続すると発表した。

【図解】ロシアのドーピングの実態、薬物違反隠ぺいの手口

 IAAFの作業部会で責任者を務めるルネ・アンデルセン(Rune Andersen)氏は、ロシア・モスクワの反ドーピング研究所から検査データの受け取りが完了していない上に、スキャンダルに関連して発生した費用が未払いになっているとして、二つの処分解除条件が満たされていないと指摘した。

 作業部会はロシアで不正に関与していた当時のコーチ陣が現在も競技に関わっている問題の調査も行っており、これについてもアンデルセン氏は、同国からの「誓約に逆行している」との認識を示した。

 アンデルセン氏はまた、今回の処分延長によって今年9月から10月にかけて開催される第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)に関して、ロシアの選手が出場できなくなる可能性について問われると、まだ時間は残されているとしながらも同国が条件を「満たす必要がある」と強調した。

 一方、IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、ロシアが世界陸上にエントリーする時間があるかどうか明言することは避け、出場に関して「臆測することはしたくない」と語った。

 コー会長は報道陣との電話会見で、「このプロセスがどこに行きつくのか様子をみよう。必要な調整はそれからだ」とすると、「現時点では、臆測しないことが肝要だ。作業部会からの勧告に委ねることになるだろう」と述べた。(c)AFP/David HARDING