【3月11日 AFP】乗客500人以上を乗せてコートジボワールのアビジャン(Abidjan)からフランス・パリに向かっていた仏航空会社エールフランス(Air France)の超大型旅客機A380が10日早朝、ニジェール上空を飛行中にエンジンに不調が生じた。

 旅客機に乗り合わせた米ブルームバーグ(Bloomberg)のジャーナリスト、ボードレール・ミュウ(Baudelaire Mieu)氏はAFPに「パリに向けてニジェール上空を飛んでいた時、数秒間火の玉が視界に入った。その後に旅客機の左側でバンと大きな音がした」と話した。

 さらに、「旅客機は片方に傾き始めた。ありとあらゆる物が振動して乗客はパニックに陥った」。するとパイロットが「たった今、左側のエンジンが止まったため、アビジャンに引き返します」と説明したという。

 ミュウ氏は「旅客機はアビジャンに引き返す間も振動が続き、乗客は祈り続けていた」「危機一髪だった。こんなに恐怖を感じたことはない!」と話した。同機にそれ以上のトラブルはなく、無事に着陸した。

 エールフランスを傘下に収める持ち株会社エールフランスKLM(Air France KLM)で西アフリカ地域を統括するジャンリュック・メベレック(Jean-Luc Mevellec)氏によると、原因は「エンジンブロー」という、折に触れて発生するよく知られた現象で、乗員はシミュレーターで十分に対処法を訓練しているという。(c)AFP