【3月11日 AFP】エチオピアの首都アディスアベバからケニアの首都ナイロビへ向かっていたエチオピア航空(Ethiopian Airlines)機が墜落し、乗客149人と乗員8人が全員死亡した事故で、ギリシャ人男性が搭乗時刻に2分遅刻したため難を逃れていたことが10日明らかになった。

 アントニス・マブロポロス(Antonis Mavropoulos)さんは、事故機の150人目の乗客となるのを免れた体験を、「私の幸運な日」と題して自身のフェイスブック(Facebook)に投稿。「ゲートに時間通りに到着しようとしたが誰も助けてくれず、本当に頭にきていた」と当日の様子を搭乗券の写真付きで説明した。

 マブロポロス氏は非営利団体「国際固形廃棄物協会(International Solid Waste Association)」の会長を務めており、事故当日はナイロビで開催された国連環境計画(UNEP)の年次会議に出席する予定だったという。

 しかしマブロポロス氏が搭乗口に到着したのはゲートが閉まってから2分後だった。その後に続くフライトを予約したが、空港職員は搭乗しようとした同氏を空港内の警察署に向かわせた。

 マブロポロス氏は「警官が私に抗議せずに神に祈れと言った。なぜなら私は墜落したET302便に乗らなかったただ一人の乗客だったからだ」と、ショックをあらわにして述べた。マブロポロス氏が搭乗しなかった唯一の乗客だったため、身元の照合や搭乗しなかった理由などを職務質問する必要があったと空港当局は説明した。その後同氏は解放された。

 ET302便のボーイング(Boeing)737型機は、10日朝、離陸直後に墜落した。(c)AFP