【3月11日 AFP】カナダ首相府は9日、ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相が与党・自由党所属の女性議員に敵対的な態度を取ったとされる疑惑を否定した。汚職疑惑が強まる中、トルドー首相のイメージは最近悪化している。

 トロント選挙区選出のセリーナ・シーザーシャバンヌ(Celina Caesar-Chavannes)議員は現地紙グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)の取材に対し、10月の総選挙で再選を目指さない意向をトルドー氏に伝えたところ、トルドー氏が自分に激怒したと話した。

 シーザーシャバンヌ氏は、「彼は怒鳴った。私が彼を認めていない、彼は私に多くを与えたと怒鳴った」と話した。同氏はこの件で後にトルドー氏から謝罪を受けたが、トルドー氏は別の機会でも敵対的な態度を取ったと述べた。

 首相府は声明で、この見方を否定。「首相はシーザーシャバンヌ氏に深い敬意を抱いている」とし、双方は2月に率直に議論したが敵対的なものではなかったと説明した。

 トルドー政権ではこのところジョディー・ウィルソンレイボールド(Jody Wilson-Raybould)前司法長官とジェーン・フィルポット(Jane Philpott)予算庁長官が相次ぎ辞任し、同政権は司法介入圧力をめぐり危機に陥っているが、シーザーシャバンヌ氏によると、トルドー氏が不出馬表明を遅らせるよう求めてきたのはウィルソンレイボールド氏の辞任の後だったという。

 シーザーシャバンヌ氏は、フェミニストで先住民の権利の擁護者を自称するトルドー氏について、有色人種の(少数派の)女性2人が辞任する事態に見舞われた指導者という政治的イメージを避けたいのだろうとの見解を示した。(c)AFP