【3月8日 AFP】米大リーグ(MLB)のニューヨーク・メッツ(New York Mets)は7日、同球団の元オールスター選手トム・シーバー(Tom Seaver)氏(74)が、認知症と診断されていたことを明らかにした。家族によると、同氏は公の場から退くことになるという。

 通算3度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)受賞と通算12度のオールスター選出を誇る名投手として、1992年に米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りを果たしたシーバー氏は、メッツが1969年のワールドシリーズ制覇を成し遂げる原動力となった。

 今年6月にワールドシリーズ制覇50周年の記念式典を計画しているメッツは、広報担当者のジェフ・ウィルポン(Jeff Wilpon)氏を通じて、「われわれはシーバー家と連絡を取っており、彼の健康状態を把握している。69年の優勝を祝う式典に彼は出席できないが、チームは特別な形で彼をたたえる予定であり、ご家族を招待する計画を立てている。われわれの思いはトム、ナンシー(Nancy)夫人、そしてシーバー家全員とともにある」と述べた。

 1967年にナ・リーグ新人王に選出されたシーバー氏は、通算311勝を挙げたほか、合計3640奪三振を記録して5度の奪三振王にも輝いた。メッツ以外ではシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)やシカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)でプレーし、1986年にボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の選手として20年間の現役生活に終止符を打った。(c)AFP