【3月9日 CNS】中国・河北省(Hebei)の太行山脈の山岳地帯にある井陘県(Jingxing)核桃園村(Hetaoyuan)で行われた「打樹花(Dashuhua)」。1000度を超える溶かした鉄が樹木の枝とぶつかり合い、空中に花火のように銀色の花を咲かせていた。「環境にやさしい花火」とも呼ばれる無形文化遺産で、核桃園村で約500年受け継がれてきた。

「打樹花」を始める前には、多くの準備が必要だ。夕方、村外れの高台で「打樹花」の伝承人である呉考珍(Wu Kaozhen)さん(67)は弟子と共に準備を始めていた。呉さんは、16歳の頃に「打樹花」を始めた。呉さんは、「打樹花」は当地では元宵節元宵節(旧暦1月15日の伝統的祭日)に行う伝統だと語った。

 呉さんによると、高台の縁にある柿の木が8年ほど前から「打樹花」に用いているという。柿の木の幹にはさびた痕跡がたくさんみられる。

 辺りが闇に包まれると、鉄を溶かす炉に火がつけられ、呉さんと弟子らは最後の準備に取りかかる。「打樹花」を見に来た観光客も続々と集まってきた。

 午後9時、「打樹花」がいよいよ始まった。演者らが溶けた鉄に力を込めて高台の柿の木に向かって撒くと、真っ暗な夜空に、燃えたぎる銀の花が飛び散り、観光客らは拍手喝采だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News