【3月6日 AFP】「キラーマウンテン(死の山)」と呼ばれるパキスタン北部の高峰ナンガパルバット(Nanga Parbat)で、2人の外国人登山家が行方不明となっている。4日にはヘリコプターで捜索が行われたものの、生存の形跡を発見することはできなかった。

 標高8125メートルのナンガパルバットは、パキスタン北部にある世界第9位の高峰。英国人のトム・バラード(Tom Ballard)さんとイタリア人のダニエレ・ナルディ(Daniele Nardi)さんからの連絡は2月24日を最後に途絶えた。

 2人が踏破を試みていた「ママリールート」は、1895年にこの地で遭難した登山家アルバート・フレデリック・ママリー(Albert Frederick Mummery)にちなんで名付けられ、踏破に成功した例が一つもなかった。

 パキスタン陸軍飛行隊の高官によると、同じく同国北部にあり、標高8611メートルを誇る世界第2位の高峰K2(ケーツー)のベースキャンプから、スペインの登山隊を乗せたヘリコプターがナンガパルバットに向かった。だが、行方不明となった2人とともに登山に臨み、途中で引き返したパキスタン人登山家の助力を得て、空から捜索を行ったものの、何も発見できなかったという。

 匿名を求めたこの高官は、ヘリコプターが捜索の対象範囲を30分超にわたって飛行したものの、生存の形跡がなかったと説明した。

 バラードさんは英国人登山家、アリソン・ハーグリーブス(Alison Hargreaves)さんの息子。ハーグリーブスさんは女性として初めて、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)への無酸素単独登頂を果たしたが、1995年にK2から下山中、亡くなっている。(c)AFP