【3月11日 東方新報】中国の宅急便は2018年で世界で最も多い500億件超で、配達員は300万人規模となっている。

 配達員の李さんは、「毎日午前6時40分に出勤、午後8時半に次に運ぶ荷物を梱包してから退社。昼食は10分くらい。休日も休まない」と話す。李さんは毎日160~170件の荷物を運び、中国の「独身の日」である11月11日前後のピーク時には、通常の2〜3倍の数量となる。

 配達員の年齢は、80年代と90年代生まれが中心だ。中国郵政局の調査では、配達員は11月11日前後の期間は1日平均14時間働き、最長で19時間にも達する。80%以上の配達員が、毎日200件以上の荷物を運んでいる。

「配達員は月収1万元(約16万7000円)超え」などのニュースをしばしば目にする。多くの物流企業の配達員募集広告も、月収8000~12000元(約13万~20万円)と具体的な数字を出していることがある。これらを見ると配達員は高収入だと思ってしまうが、北京の配達員の苗(Miao)さんは、「会社には月収1万元を超える配達員もいるが、基本的に6000~7000元(約10万~11万6500円)程度」と話す。

 郵政局調査では、配達員の多くは月収5000元(約8万3000円)以下で、11月11日前後は収入は増加するが、大部分は1万元(約16万7000円)以下であり、多くの配達員にとっては「上を見れば不満はあるが、下と比べればまあまあの収入」という程度だ。

 職業に対する感覚では、配達員の35.8%が「将来性を感じこの仕事を続けたい」と思っており、43.35%は「仕事をしばらく続けてからまた考える」、20.85%は「取りあえずやっているだけ」という結果だった。

 また家庭状況では、66.15%が既婚者で、61%に子どもがいる。また。故郷に子どもを残したままという人も23%がおり、3か月に1度の頻度で子どもに会える人はわずか31.7%。「半年〜1年に1度会える」人が70%近くを占めていた。

 北京の配達員の李さんは「うちの会社は比較的良い方で、5つの基本的な社会保険に加入している。しかし住宅積立基金には加盟しておらず、宿舎の提供もない」と話す。

 配達員は、仕事と生活面で多くの問題を抱えている。これに対し最近、個別に解決策が採られ始めた。北京市では配達員のために2400戸の住居を提供。上海市では、配達員など自由就業職種の労働組合を設立し、住宅補助金、重病補償制度、事故傷害と重度身体障害補償を含む4つの基本的社会保障制度が受けられるようにした。(c)東方新報/AFPBB News