【3月7日 AFP】キプロス当局は先月28日、同国沖で米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)が大規模な天然ガス田を発見したと明らかにした。近隣国トルコとの間に新たな緊張が生まれる恐れもある。

 キプロスのヨルギオス・ラコトゥリピス(George Lakkotrypis)商業・工業・観光相は、このガス田は同国の排他的経済水域(EEZ)ではこれまでで最大であるとともに、世界でも過去2年間で最大級の発見だと述べた。

 ラコトゥリピス氏によると、初期の分析で埋蔵量は1400億~2300億立法メートルと予測されている。キプロスの首都ニコシアで行われた記者会見でエクソンモービルのトリスタン・アスプレー(Tristan Aspray)副社長は、初期的な分析結果は「励みになる」と語った。

 キプロスの天然ガス鉱区「ブロック10」の権益はエクソンモービルが60%、残り40%はカタール・ペトロリアム(Qatar Petroleum)が保有している。
 
 米中堅石油会社ノーブル・エナジー(Noble Energy、本社:テキサス州)は2011年、キプロス沖で初めての天然ガス田「アフロディーテ(Aphrodite)」(ブロック12、推定埋蔵量1300億立法メートル)を発見したが、まだ生産は始まっていない。

 キプロスではアジアや欧州に天然ガスを輸出するため、液化天然ガスプラントの建設を計画しているが、これまでに確認された天然ガス埋蔵量では不足している。

 キプロスおよびエネルギー不足にあえぐエジプトは、アフロディーテ天然ガス田から、海中パイプラインを通して天然ガスをエジプトに輸送することが可能か調査している。キプロスは、2022年までに、天然ガスおよび可能ならば石油の輸出も始めたい意向だ。(c)AFP