【3月6日 AFP】米国の若手バスケットボール選手に対し、不正に金銭の支払いを行っていたとして、独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)の元幹部であるジェームス・ガット(James Gatto)被告に5日、禁錮9月が言い渡された。

 ガット被告は、アディダスでマーケティングディレクターを務めていた当時、将来的に同社と契約させることをもくろみ、高校生のスター選手たちに金銭の支払いをしていたとして起訴されていた。

 賄賂を支払っていた目的には、アディダスがスポンサーを務める大学への入学、プロになった場合のスポンサー契約、そしてガット被告と協力関係にあった代理人のクリスティアン・ドーキンス(Christian Dawkins)被告とサインさせることがあったという。

 検察によれば、ドーキンス被告と、アディダスでコンサルティングを担当し、今回の不正に関与したマール・コード(Merl Code)被告にもそれぞれ禁錮6月の判決が下ったという。

 また、現在は米プロバスケットボール(NBA)のニューヨーク・ニックス(New York Knicks)でポイントガードとしてプレーするデニス・スミス(Dennis Smith Jr.)の家族が、4万ドル(約445万円)を受け取っていたことが証拠から明らかになっている。

 この裁判では、毎年数十億ドルの利益を生み出しているにもかかわらず、奨学金以外では選手に金銭が支払われないという、一流の大学スポーツ界の実態が浮き彫りにされた。(c)AFP