【3月6日 AFP】米南部アラバマ州で4日、前日3日の竜巻発生後に行方不明になっている人々の捜索活動が再開された。同州では相次いで発生した2つの竜巻で被害が広範囲に及んでおり、これまでに23人とされている死者数は今後増える恐れがある。

 捜索活動は危険な気象状況のため3日夜に中断されていたが、同州全域に加え隣接するジョージア州から救助隊が駆け付け、4日朝に再開された。

 同州東部でジョージア州に接するリー(Lee)郡のジェイ・ジョーンズ(Jay Jones)保安官は被災地の状況を、「まるで誰かが巨大なナイフを持ち出して地面を削ったかのようだ」と形容。「民家が立っていた場所には床板しか残っていない。至る所にがれきが散乱し、木々はなぎ倒されている」と説明した。

 ジョーンズ保安官は、死者の中には幼い6歳児1人を含む複数の子どもが含まれ、ここ半世紀の間、同州でここまでの壊滅的な被害が出たのはこれが初めてだとしている。

 同郡に住む友人を訪ねていて竜巻に巻き込まれ、死亡した少女もいた。少女のおばはNBCテレビ系列のWSFA12に対し、「あの子は天国に行った。まだ8歳だった。現実とは思えない」と語って泣き崩れた。

 同保安官は「数人の行方が依然分かっていない。遺憾ながら、時間の経過につれ死者数が増える恐れがあるとみている」と述べた。また負傷者は病院に搬送されており、うち数人が「非常に深刻な重傷」だとしている。(c)AFP/Deborah Bloom