【3月6日 AFP】建築界で最高の栄誉とされ、「建築界のノーベル賞(Nobel Prize)」とも呼ばれるプリツカー賞(Pritzker Architecture Prize)の審査委員会は5日、今年の受賞者に日本人建築家の磯崎新(Arata Isozaki)氏(87)を選んだと発表した。

 世界で46人目、日本人としては8人目の受賞者となる。欧米で多くの時間を過ごした磯崎氏は欧米の建築様式を取り入れ、作品に反映させた最初の日本人建築家の一人とみなされている。

 1992年のバルセロナ五輪の競技会場「パラウ・サン・ジョルディ(Palau Saint Jordi)」からロサンゼルス現代美術館(MOCA)まで、100以上の建築物を手掛けてきた。ある地域の伝統を探究しつつ、世界的な反響を呼んだ業績が評価された。

 今年の審査委員長を務めたスティーブン・ブライアー(Stephen Breyer)米最高裁判事は「(磯崎氏は)建築分野で長きにわたる伝統を持つ地域がその伝統にとらわれるのではなく、世界の他の地域から学びつつその伝統を広めていこうと長年にわたって取り組んできた」と述べた。

 授賞式は5月に仏パリで行われ、賞金10万ドル(約1100万円)とブロンズのメダルが授与される。(c)AFP/Thomas URBAIN