【3月6日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がシリア最後の拠点とする東部の村バグズ(Baghouz)で5日、米軍主導の有志連合が支援する民兵組織「シリア民主軍(SDF)」によるISへの最終攻勢が続く中、民間人数百人がSDFの支配地域に避難した。

 SDFによると、バグズから避難した人は降伏したIS戦闘員500人を含め3500人を超えた。

 ISは2014年、シリアと隣国イラクにまたがる広範な地域を掌握し、「カリフ制国家」の樹立を宣言した。だが、その後は支配地域を失い、対イラク国境に近いユーフラテス(Euphrates)川の河岸にある小さな村、バグズが最後の拠点となっている。

 AFP記者は、バグズの外にある検問所に子どもを含む数百人が到着するのを確認。男性らがSDFの隊員に囲まれて地面に座る一方、女性らは全身を覆う黒い布を着て、身体検査の順番を待っていた。

 女性の中には、フランス人IS構成員ジャンミシェル・クラン(Jean-Michel Clain)容疑者(38)の妻、ドロテ・マケール(Dorothee Maquere)さんもいた。

 ジャンミシェル容疑者は、2015年11月のパリ連続襲撃事件でISが出した犯行声明の声の主として知られるファビアン・クラン(Fabien Clain)容疑者(41)の弟。ファビアン容疑者は先月、無人爆撃機による爆撃で死亡したことが伝えられていたが、マケールさんのAFPへの話によれば、ジャンミシェル容疑者もその後の砲撃で死亡した。

 SDFは先週末、米軍主導の有志連合による空爆支援を受けてバグズへの最終攻勢を開始したものの、脱出できなくなっている民間人の状態を懸念して3日に攻撃を弱めていた。(c)AFP/Rouba El Husseini