【3月5日 AFP】後天性免疫不全症候群(エイズ、AIDS)を発症させるエイズウイルス(HIV)の感染者で、治療を中止した後に、治癒したとみられる寛解状態が続いている2人目の患者がいることが明らかとなった。研究者らが5日、医学会議で公表する。

 HIV感染者が世界で初めて完治した「ベルリンの患者(Berlin Patient)」と呼ばれる例が確認されてから、約10年がたつ。

 今回、科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された「ロンドンの患者(London Patient)」とされる男性は、治療をやめてから19か月近く、ウイルスが検出されていないという。

 2人の患者はどちらも血液がんの治療のために骨髄移植を受けており、HIVウイルスのまん延を防ぐ希少な遺伝子変異を持つドナーから幹細胞を提供されていた。

 論文の主著者である英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のラビンドラ・グプタ(Ravindra Gupta)教授は、完治した1人目のケースを引き合いに出し、「同様の治療法を2人目の患者に施して寛解を達成したことで、『ベルリンの患者』が特異ではなかったことが証明できた」と主張した。(c)AFP