【3月6日 Xinhua News】大阪市立東洋陶磁美術館はこのほど、中国工芸美術大師(人間国宝に相当)の毛正聡(Mao Zhengcong)氏より竜泉青磁の玉壺春瓶(ぎょっこしゅんへい)と珍珠梅瓶(ちんじゅめいぴん)、正聡氏の息子で浙江省工芸美術大師、毛偉傑(Mao Weijie)氏より竜泉魚子紋双耳炉(ななこもんそうじろ)の寄贈を受けた。

 同館の出川哲朗館長が美術館を代表し作品を受領した。出川氏は、毛正聡・偉傑親子の青磁作品は成熟度が非常に高く、現代竜泉工芸の代表と言えると賛辞を送った。

 出川氏によると、日本で国宝に指定されている陶磁器14点のうち、8点が中国の古代陶磁器で、このうち4点が宋代建窯、3点が宋代竜泉青磁だという。日本に与えた影響が非常に大きかったことから、これらの宋代磁器はこれまで高く評価され続け、大切に保管されてきた。これらをまねて作られた作品もあったという。特に竜泉青磁は宋・元の時代に中国から日本への主な輸出品とされたため、日本には後代にまで伝わる竜泉青磁作品が多く残っている。東洋陶磁美術館は、今回特別に同館が収蔵する元代竜泉青磁の玉壺春瓶「飛青磁(とびせいじ)花生」(国宝)を取り出し、毛正聡氏が寄贈した玉壺春瓶と比較を行った。 

 毛正聡氏は、自身の作品が日本に永久に残されるのは非常にうれしいと述べた。毛正聡氏の作品はこれまで、国の贈答品としてたびたび世界の政府要人へ贈られてきた。代表作の「紫光瓶」や「紫光盤」は北京の中南海紫光閣に収蔵されている。(c)Xinhua News/AFPBB News