【3月3日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)が発足を検討している新方式の大会「リーグ・オブ・ネーションズ(League Of Nations)」の構想に太平洋諸島の国々が反発し、W杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のボイコットを検討していると発表したことを受け、WRのブレット・ゴスパー(Brett Gosper)最高責任者(CEO)は2日、一部で言われているような同地域の国々を新リーグから「締め出す」考えはないと話した。

 この件では、2部リーグ制になるという新大会について、フィジーが外れて替わりに米国が入るなど、1部の12チームに太平洋諸島の国々が一つも入らず、さらに10年間は昇降格がない見込みだと報じられると、これに同地域の国々が猛反発し、出身選手で構成される選手会「パシフィック・ラグビープレーヤーズ・ウェルフェア(PRPW)」が、フィジー以外も含めた数か国でW杯をボイコットする可能性を検討していると発表した。

 これに対してゴスパーCEOは、1部と2部の振り分けは実績に基づいたランキングに応じて決めると話し、PRPWの懸念は根拠のないものだと断言した。

 AFPの電話インタビューに応じた同CEOは「2部制の大会にすることで、選手が得られるチャンスは増え、各協会の財政も安定するはずだ」「重要なのは、参加は実績ベースであり、ある時期のランキングに基づくかたちになるということだ」と話した。

「つまり、太平洋諸島を締め出すという話は問題外だ。このところ台頭してきている2か国を1部に加える一方で、2部にも資金を拠出するから、選手も恩恵を享受できるだろう」

 リーグの顔ぶれを少なくとも10年間固定する案を強硬に主張しているのは、北半球6か国の強豪国だとみられている。この点についてゴスパーCEOから言及はなかったが、一方で国際ラグビー選手会(IRPA)の会長を務めるアイルランド代表のジョニー・セクストン(Johnny Sexton)の意見には回答している。

 普段あまり積極的に発言するタイプではないセクストンだが、この件に関しては、選手のことよりも商業面を優先した計画だと話し、特にラグビーのような体を激しくぶつけ合うスポーツで、11月の5週間に5試合を詰め込むことへの懸念を示していた。

 ゴスパーCEOは「この件については、あらゆる関係当事者の間で議論が現在進行形で重ねられており、そうした懸念のいくつかは不正確で古いものになっている」「例えば、11月に5週間連続で試合をする可能性を話し合った時期もあったが、今週初めには12チーム中10チームが試合を行わない休養期間を設けることについて話し合っている」と答えた。

 さらに、選手への負担は現在よりも減ると話し、「選手への影響に関して言えば、現在代表各チームは年平均12試合のテストマッチを行っているが、この方式では年11試合で、準決勝と決勝に進出しても数試合が増えるだけだ」とコメントした。(c)AFP