【3月2日 AFP】ボクシング、WBAウエルター級王者のマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)は1日、19歳の長男に自身の足跡を追うことを仕方なく許したのは、親として息子がリングに立つ夢を「つぶそうとしている」と激しく責め立てられたためであると明かした。

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 前人未到の8階級制覇を達成した母国の英雄であるパッキャオは、息子のエマニュエル・ジュニア(Emmanuel Pacquiao Jr)さんがけがする姿を見る恐れに耐えられないとして、フィリピンのニュースサイト「ラップラー(Rappler)」に対して、「息子にボクシングは厳しいと話した。練習も何もかもがつらいとね。しかし、彼は『お父さん、ボクシングは僕の情熱なんだ』と言ったんだ」と語った。

 パッキャオはその息子の言葉が自分の態度を軟化させたと話し、「私は『息子よ、それは私の言葉だ。お前は私の言葉をなぞっている』と返した」と付け加えた。

 貧しい路上生活から富豪へと成り上がったことで知られる40歳のパッキャオは、妻のジンキー(Jinkee)さんが「ジミュエル」のニックネームで呼ばれる息子に、ボクシングをやってはならないと言い張ったときの様子も明かした。

「するとジミュエルは、『お母さんは僕の夢をつぶそうとしている』と言った。そこで私たちに何ができる? もうやらせるしかない」「彼は毎日トレーニングをしている。彼が自分の部屋のテレビで、ほとんど毎日私の試合を見ている姿を目撃している」

「ボクシングがいかに厳しいものか知っているから、その姿に心が痛む。息子が打ちのめされる姿に私は耐えられない。それが自分であるならば問題ないが」

 その一方で、パッキャオは近いうちにグローブを置くつもりはないとしており、「体の異変や体力の衰えを感じたら、引退について考えるかもしれない」「しかし、今のところは大丈夫。自分は27歳か28歳のような感覚だ」と語った。

 パッキャオは次の対戦相手が決まっておらず、「相手はボクサーであることは確実だ」と話すにとどまった。(c)AFP