【3月11日 Xinhua News】約2平方メートルの分厚い木製テーブルには、数々の彫り傷や飛び散った漆の跡が一面に広がっている。10種類余りの工具および黄色、赤色、黒色の顔料が入った小皿を一列に並べ、64歳の甘而可(Gan Erke)さんはテーブルの前に静かに座り、手のひらほどの大きさの化粧箱を手の中で機敏かつ一定の速度で回転させていく。こうして着色とつや出しを行うと、まだらの模様と輝く光沢がしだいに姿を見せてくる。

 20年にわたり、木製テーブルはこの「職人」が中年から老年に至るまで、中国安徽省徽州(Huizhou)地域の伝統的な犀皮(さいひ)漆器をたゆまず「復活」させる日々に立ち会ってきた。甘さんは2009年、「犀皮漆」「漆砂硯」など徽州の伝統的な漆塗り技術を復活させたことで、国家無形文化遺産「徽州漆器塗飾」の代表的伝承者に認定された。(c)Xinhua News/AFPBB News