【3月1日 AFP】アルゼンチンで祖母の夫にレイプされて妊娠した11歳の少女が帝王切開で出産し、妊娠中絶を厳しく規制する同国で議論が再燃している。

 少女は北部トゥクマン(Tucuman)州当局に対する申し立ての中で、「あのおじさんが私のおなかに入れたものを取り出してほしい」と述べた。

 少女と母親はその後、妊娠中絶の要望を届け出たが、届け出の処理に7週間を要した上、医師らが良心的診療拒否の権利を行使して中絶を拒否した。

 少女は妊娠23週で危険な状態にあると診断されたが、医師らは妊娠中絶を行わず、帝王切開を実施。赤ちゃんは生まれたものの、医師らによると生き延びる見込みはほぼないという。

 妊娠中絶合法化の運動を率いる女性団体は、「州は少女をひどく苦しめた責任を負うべきだ」と指摘した。

 一方でトゥクマン州政府は、少女と赤ちゃん両方の命を救うために帝王切開が必要だったと説明した。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis)の出身国でもあるアルゼンチンでは、妊娠中絶は世論を二分する問題で、白熱した議論を招いている。(c)AFP