【3月1日 AFP】米大リーグ(MLB)、通算6度のオールスター選出を誇る強打者のブライス・ハーパー(Bryce Harper)が、同国のプロスポーツ史上最高額となる13年総額3億3000万ドル(約367億7000万円)で、フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)との契約に合意した。複数のメディアが28日に報じた。

 MLBの公式ウェブサイトでは、元ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)の外野手で26歳のハーパーが、自身の将来に関して数か月に及んだ臆測に終止符を打ったと伝えられた。契約内容にはオプトアウト条項は含まれておらず、金額は完全に保証されたものになっているという。

 今オフのフリーエージェント(FA)市場で最大の目玉となっていたハーパーだが、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)とロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)などからオファーがあり、どのチームを行き先に選ぶかについてはさまざまなうわさが立っていた。

 報道によると、ジャイアンツが10年契約を提示した一方で、ハーパーが移籍先として望んでいたと伝えられたドジャースは長期の高額契約については拒否したとされている。

 ハーパーは契約の総額に関しては米スポーツ史上最高額に上ったものの、年俸ベースでは野球界のトップとはならない見通しとなっている。同選手の年俸は2540万ドル(約28億3000万円)となるが、先日コロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)と8年間の契約延長にサインしたノーラン・アレナド(Nolan Arenado)の年俸は3250万ドル(約36億2000万円)となっている。

 わずか16歳で米誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」の表紙を飾って以来神童とうたわれ、MLB史上最も才能に恵まれた選手の一人との呼び声が高いハーパーは、2012年にナショナルズでデビューして以降、通算184本塁打を記録しているほか、2015年にはナ・リーグの年間最優秀選手(MVP)に選出。フィリーズではチームを優勝争いに押し上げる活躍が期待されている。

 フィリーズは昨年、成績上昇の兆しを見せていたものの最終週につまずいて通算戦績80勝82敗で終了。現在は2011年以来のプレーオフ出場を目指して戦力強化を図っており、今オフにはJ.T.リアルミュート(J.T. Realmuto)やアンドリュー・マカッチェン(Andrew McCutchen)、ジーン・セグラ(Jean Segura)を獲得していた。

 フィリーズは2008年シーズンにタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)とのワールドシリーズを制して球団史上2度目の優勝を飾ったものの、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)に敗れた2009年シーズン以来、その舞台には一度も到達していない。(c)AFP