【2月27日 AFP】西欧各地で今週、冬季としては記録的な高温が観測された。一方、地中海周辺では、雪がちらついた場所もあった。

 25日、英ウェールズ地方のトローズゴード(Trawsgoed)で冬としては同国史上最高の20.6度を記録。同国気象庁(Met Office)によると、英本土で冬季の20度超えは前代未聞だという。しかし26日に同じくウェールズのポースマドッグ(Porthmadog)で20.8度まで上がり、記録は翌日早くも更新された。

 英国だけでなくスペインのオウレンセ(Ourence)で25度、フランスのプレベールクリスト(Pleyber-Christ)で21度、ベルギーのユクル(Uccle)でも18.8度と、ここ数日の間にやはり前例のない高温を記録した。

 一方で、地中海周辺は冷え込んだ。ギリシャのテッサロニキ(Thessaloniki)では気温が約3度まで下がり、降雪もあった。トルコ北西部でも雪がちらついた。

 これについてフランス気象局(Meteo-France)の気象予報士は、大西洋と東欧の上空に低気圧があり、温かい空気が欧州の北西部にとどまったこと、また南欧からの温かい空気が北上するのに伴って北極地方からの冷気が南下したことから、特に地中海東部で気温が下がったと説明。西欧の記録的な暖かさは27日まで続くと予報している。

 2月にTシャツで外出できるのは朗報とも思われる一方で、この記録的高温は今年これから待ち受ける危険の兆候である可能性があると、科学者らは警戒している。

 ドイツのポツダム気候影響研究所(Potsdam Institute for Climate Impact Research)の研究員は、「これは地球温暖化に関係しており、このような陽気が今後ももたらされる可能性は大いに高まる。春の初めにこのような天気を迎えて非常に心地よく感じるが、もし真夏に同様の気象条件が生じれば、社会に極めて大きな影響をもたらしかねない」と警鐘を鳴らした。(c)AFP/Amelie BOTTOLLIER-DEPOIS