【2月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の報道官の娘が、欧州議会(European Parliament)安全保障・防衛小委員会で議員付きのインターンとして働いていると、フランス出身のこの議員自身が25日、AFPに明らかにした。

 欧州議会外交委員会委員も兼任するエイメリック・ショープラード(Aymeric Chauprade)欧州議員は、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官の娘で、フランスで法律を勉強中のエリザベータ・ペスコワ(Elizaveta Peskova)さんが自身の下でインターンとして働いていることを明らかにした。

 ショープラード議員は「プーチン大統領の報道官であるドミトリー・ペスコフ氏の娘、エリザベータさんは昨年11月からインターンを開始」し、同議員の任期が終了する4月末にはインターン期間も終わると述べた。

 同議員は、エリザベータさんには機密文書へのアクセス権はないと強調した。欧州議会報道官によれば、ショープラード議員自身、機密文書へのアクセス権を持ったことはないという。

 またショープラード氏によると、エリザベータさんは非公開の会議に出席することはできず、同氏が所属する欧州連合(EU)とロシア代表団の仕事にも携わることはできない。エリザベータさんの月給は1000ユーロ(約13万円)だという。

 ロシア政府は現時点では、エリザベータさんのインターンシップについてコメントを発表していない。

 ショープラード氏は2014年にマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏が率いるフランスの極右政党「国民連合(RN)」から出馬して欧州議員に選出されたが、後に同党とはたもとを分かち、無所属を自認している。

 一方、仏社会党出身の欧州議員は「非常に衝撃的なことだ。ロシア政府報道官の娘は単なる誰かではない。議会の人事局でこのような採用が認められたことに驚く」と警戒する姿勢を見せた。(c)AFP