【2月24日 AFP】サウジアラビアは23日、新たな駐米大使にリーマ・ビント・バンダル(Reema bint Bandar)王女を任命すると発表した。女性が大使に任命されるのはサウジ史上初めて。画期的な要職人事は、サウジ人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏殺害をめぐって冷え込む米国との同盟関係にとって試金石となる。

 リーマ王女の駐米大使任命は、23日深夜にサウジ国営メディアを通じて発表された複数の国王令の一つ。王女は、父親も長期にわたって駐米大使を務めている。現駐米大使のハリド・ビン・サルマン(Khalid bin Salman)王子は副国防相に任命された。ハリド王子の兄はサウジで実権を握るムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子だ。

 昨年10月にトルコ・イスタンブールのサウジ領事館で起きたカショギ氏殺害事件をめぐり、サウジは国際社会の非難を浴び、主要同盟国である米国とも緊張した関係が続いていることから、駐米大使交代の背景には事態の沈静化を図りたいとの思惑があるとみられる。

 サウジに関してはやはり昨年、身柄を拘束した女性活動家らに性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)や拷問を行っていたとの疑いが浮上し、厳しい批判が集まっている。
 
 そうしたサウジにおいて、リーマ王女は率先して女性のエンパワーメント(自己決定力や能力開花の促進)を支援してきた。また、スポーツ庁(General Sports Authority)では女性スポーツ振興担当を務めている。(c)AFP/Anuj CHOPRA