【2月23日 AFP】フィギュアスケート全米選手権(U.S. Figure Skating Championships)で通算2度の優勝を誇る23歳のグレイシー・ゴールド(Gracie Gold)は22日、現在もうつ病に悩まされていると認めながらも、復帰への道を歩み始めた中で、2022年の北京冬季五輪を目指していると明かした。

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 ゴールドは2014年のソチ冬季五輪の団体戦で米国の銅メダル獲得に貢献したが、米NBCテレビの番組「トゥデイ(Today)」に対して、すでに当時から自己像に関して葛藤を抱えていたことを告白した。

「私は『米国のスイートハート』だとか『ゴールデンガール』と言われていた。メディアで見られているほど自分は完璧ではなかったから、苦しんでいる本来の自分の姿と向き合うことを恐れていた」

「どんどんエスカレートしてどうにもならなくなった」という摂食障害などで、ここ2年間はリンクから離れていたゴールドは、世界選手権(ISU World Figure Skating Championships)では2015年大会に続き、米ボストン(Boston)で開催された2016年大会でも4位に沈んでメダルに届かなかった。

「あれが全てだった」「世界最高の選手にはなれないという現実の一つだった」

 2014年と2016年の全米選手権を制しているゴールドは、2018年はほぼ競技を離れており、「ずっとスケートのせいにしていたから、とにかくスケートからしばらく離れる必要があった」「だけど、スケートが悪いのではなかった。それが私の人生を台無しにしたのではなかった。自分の振る舞いを許しながら競技に臨み、人生を台無しにしてしまった」と話した。

 今でもリンクの内外で困難に直面しているゴールドは、簡単な解決策はないことを自覚しながら、「治療やセラピーは魔法のつえではなく、修理をするもの」と語っている。

 今後はカナダ・モントリオールで開催される来年の世界選手権でのメダル獲得を目指す一方で、本格的復帰のさらなる目標として2022年北京五輪の出場も見据えており、「2022年の北京五輪は最大の夢」としつつ、「国際大会でメダルを獲得できるなら、もう一度五輪を目指すよりも世界選手権のメダルを獲得する方が私にとっては重要」と話した。(c)AFP