【2月22日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は21日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の決定に基づきシリア駐留米軍が撤退した後も、約200人の「平和維持部隊」をしばらく現地に残す方針を示した。

 ホワイトハウスのサラ・サンダース(Sarah Sanders)報道官は、「約200人の小規模な平和維持部隊が一定期間、シリアに残る」と述べた。

 シリア駐留米軍2000人を4月30日までに撤退させるとのトランプ大統領の決定は、共和党内部からも反発が出るなど猛批判を浴びている。トランプ氏は昨年12月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する勝利を宣言したが、シリアでは今もIS最後の拠点をめぐって激戦が続く。急な米軍撤退の結果、ISが勢いを盛り返したり、米国が支援してきたクルド人部隊をトルコが攻撃したりと、さまざまな影響を懸念する声がある。

 こうした中、パトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)米国防長官代行は先週、訪欧し、米軍撤退後のシリアで欧州諸国の部隊が存在感を維持するよう同盟国の説得に努めた。だが、欧州側には自国軍を危険にさらして米国の抜けた穴を埋めることへの抵抗がある。

 サンダース報道官は詳細には触れなかったが、小規模な米軍部隊の「平和維持」には、米軍撤退後に欧州同盟国の部隊がシリアで同様の任務を担うための道筋をつける意味があるとみられる。(c)AFP