【2月19日 AFP】マレーシアは19日、3年にわたったボーキサイトの採掘禁止措置を来月解除すると発表した。だが今回の措置をめぐっては、環境への深刻なダメージを招くとの懸念も上がっている。

 精練するとアルミニウムが得られるボーキサイトをめぐっては、2014年に隣国インドネシアがボーキサイトの輸出を禁止すると、中国からの強い需要に応じるためにマレーシアで採掘が行われた。

 だが、豊富な埋蔵量を誇る中部パハン(Pahang)州では、各地にある採掘場が景観に悪影響を及ぼし、採掘による流出物が川を赤色に染めた。さらに呼吸障害や発疹が増加したとの訴えもあり、当局は採掘を禁止する措置を取っていた。

 また多くの場合は違法で、政府の監視もなく、未熟な方法で採掘が行われているとの批判もあった。

 だが、昨年発足した新政権の天然資源・環境相は、政府が3月31日に期限を迎える採掘の一時禁止措置を延長しないとの決定を下したと発表。

 AFPに対しては、「業界関係者は4月までに採掘を再開できるが、厳しい採掘条件を守らなければならない」と述べるとともに、今回の措置によってパハン州が重要な収入の増加を得ることができると説明した。(c)AFP