【2月19日 AFP】シリア北部イドリブ(Idlib)県の県都イドリブ市で18日、連続爆弾攻撃があり、子ども4人を含む24人が死亡した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が発表した。

 同監視団によると、まず車の下にあった爆弾が爆発。現場に救急車が到着した後で、今度はバイクに仕掛けられた爆弾が爆発した。負傷者数は当初の報告よりも増え、少なくとも51人になったという。これまでのところ、犯行声明は出されていない。 

 イドリブは、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が依然制圧できていない最後の主要地域。かつて国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の傘下にあった「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」(旧アルヌスラ戦線<Al-Nusra Front>)が掌握している。

 トルコから支援されていた複数の勢力より規模で優っていたHTSはこれらの勢力を抑え込み、先月、行政機関「救済政府(Salvation Government)」を設けてイドリブ県全域を支配下に置いた。ただイドリブ県にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」も潜伏工作員を送り込んでいる。

 今回の連続爆弾攻撃の現場となった通りには、救済政府の事務所があり、監視団によると、爆発によってHTSの戦闘員4人が死亡、死者のうち残る20人は民間人だったという。

 イドリブ県は、シリア政府を支援するロシアとシリアの反体制派を支援するトルコの間で合意された緩衝地帯に関する取り決めに守られる形で、昨年9月以降、シリア政府側による大規模攻勢は受けていないが、散発的な砲撃を受けている。8年に及ぶシリア内戦でこれまでに36万人以上が死亡した。現在シリア政府は国土のほぼ3分の2を掌握している。

 イドリブ県の南部地区マーラトヌマン(Maaret al-Numan)とカーンシェイクン(Khan Shaykhun)で、17日、18日撮影。(c)AFP