【2月17日 AFP】ジンバブエの金鉱で2本の立て坑が浸水した事故で、国営テレビは16日、これまでに24人の遺体を収容し、8人を救出したと伝えた。政府当局は、坑内にはなおも違法に採掘していた作業員数十人が閉じ込められているとみており、現在も救助活動が続けられている。

 この金鉱は首都ハラレの南西145キロに位置するカドマ(Kadoma)近郊の「バトルフィールズ鉱山(Battlefields Mine)」で、現在は廃坑となっていた。国営ジンバブエ放送(Zimbabwe Broadcasting Corporation)によると、救援活動でこれまでに8人が救出され、24人が遺体で収容された。救出された作業員らはその場で応急処置を受けてから病院に搬送されたが、容体は安定しているという。

 ツイッター(Twitter)に投稿された動画の中で、救出された作業員の1人は報道陣に対し、坑内の水は首の高さまで達したため、作業員らは水が引くまで数日間も立ち続けなければならなかったと語っている。

 政府は15日の時点で、2本の立て坑内に60~70人の違法金採掘者たちが閉じ込められていると発表していた。

 ジュライ・モヨ(July Moyo)地方行政相は、坑内の水をポンプで排水する費用や、遺族や救助隊員への手当て、犠牲者の遺体搬送と埋葬資金として総額20万ドル(約2200万円)の募金を開始したと明らかにした。

 ジンバブエはここ10年来で最悪の経済危機の最中にあり、失業率は90%超と推定されている。収入を得る手段として、大企業が撤退して放棄した鉱山での小規模金採掘が横行している。同国は小規模金採掘を完全に禁じておらず、多くの場合、野放し状態となっている。(c)AFP