【2月17日 AFP】飛行機事故で死亡したイングランド・プレミアリーグ、カーディフ・シティ(Cardiff City)のFWエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(28)の葬儀が16日、アルゼンチンにある同選手の故郷で行われ、悲劇に胸を痛める家族や友人、ファンが遠くから訪れて同選手の死を悼んだ。

 葬儀はサンタフェ(Santa Fe)州にある小さな農業の町プログレソ(Progreso)の、サラ選手が少年時代にプレーしていたクラブの体育館で行われ、午前中を通じて絶えなかった弔問客の数は、3000人以上に達した。クラブ施設の外には「エミ、君は決して一人じゃない」というメッセージも掲げられた。

 弔問客の一人によれば、サラ選手は「みんなから愛され、称賛されていた」という。町の人の話では、オフには町へ戻って来て、必ず地元の若者と一緒にボールを蹴っていた。一部のスター選手と違って目立たず過ごし、富をひけらかすようなことはなかった。

 ひつぎにはチームカラーと同じ色の布がかけられ、奥に置かれた大きな遺影を両親ら傷心の家族が見つめていた。家族によれば、父親のオラシオ(Horacio Sala)さんはショックのあまり何日も家から出ることができなかったという。

 クラブの会長は「われわれにとっては大切な町の代表だった」「ここは小さな町で、エミはセレブであり、町が生んだ唯一のプロ選手だった」「われわれの仲間で、とても大きな存在だった」とコメントした。

 町長は感極まった様子で「エミはわれわれの心に生き続ける」と弔辞を述べた。

 サラ選手のアルゼンチン時代のコーチで、現在はボルドー(FC Girondins de Bordeaux)のユースを指導しているという人物は、泣きはらした赤い目で「打ちのめされている。ここへは一人のサッカー選手を悼むためにやって来たんじゃない。一人の素晴らしい男、真の戦士を悼むためにやって来たんだ」と話した。(c)AFP/Alexandre PEYRILLE