【2月16日 AFP】アルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)は15日、スウェーデンのオーレ(Are)で男子大回転が行われ、ノルウェーのヘンリク・クリストファーセン(Henrik Kristoffersen)が前回覇者のマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)を抑え、キャリア初の大会制覇を果たした。

 クリストファーセンは冷静な滑りで2本合計2分20秒24を記録し、ヒルシャーを0秒20差の2位に抑え込んだ。1本目でトップに立っていたフランスのアレクシス・パンテュロー(Alexis Pinturault)がトップと0秒42差の3位に入り、11日の複合で優勝したのに続くメダル獲得となった。

 2014年ソチ冬季五輪の回転で銅メダルを獲得し、19歳にしてアルペンスキーの最年少五輪メダリストとなったクリストファーセンは、24歳で出場した今大会で世界選手権のタイトルを初めて手にした。

 昨年開催された平昌冬季五輪の大回転でヒルシャーに次ぐ銀メダルを手にしたクリストファーセンだが、世界選手権では2015年の回転に続いて2017年の回転と大回転の計3度も4位に終わっており、「やっとメダルを手にした!」と喜んだ。

「3度も続けて4位に終わっていて、一年間ずっとレースに勝てず、最後に大回転で優勝したのはフランスのメリベル(Meribel)で行われた2015年のW杯だった。何度も惜しいところまでいっていた。これは周囲の人々のおかげで、彼らの仕事のたまものだ」

 一方、ヒルシャーは「たった一つや二つのミスでも多すぎる」として、クリストファーセンが勝利に値すると認めると、「2位というのは敗者の中でトップだけれど、ヘンリクは2本とも最高の滑りを見せていた」とコメント。ここ数日でひどい風邪を引いていたことを明かし、「疲れているし、ベッドに戻るのが待ち遠しい」と話した。

 世界選手権ではすでに合計6個のタイトルを手中に収めているヒルシャーは、同胞のトニ・セイラー(Toni Sailer)氏と並ぶ歴代1位の通算7勝目を目指していた。その快挙は逃したものの、今回の銀メダルによって世界選手権の男子で合計10個以上のメダルを獲得した史上5人目の選手となった。

 過去に達成しているのはチェーティル・アンドレ・オーモット(Kjetil Andre Aamodt、ノルウェー)氏(12個)、マルク・ジラルデリ(Marc Girardelli、オーストリア)氏(11個)、ラッセ・チュース(Lasse Kjus、ノルウェー)氏(11個)、ベンヤミン・ライヒ(Benjamin Raich、オーストリア)氏(10個)となっている。(c)AFPLuke PHILLIPS