【2月15日 AFP】米金融大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)は14日、ブロックチェーンを使った独自のデジタル通貨を開発し、その試験運用に成功したと発表した。金融サービスが急速に変化しつつある中、大手銀行がデジタル通貨を開発したのは初めて。

開発された「JPMコイン(JPM Coin)」は、現在のところ試用段階で企業間取引のみを念頭に置いている。JPモルガンの法人顧客間で即時決済が可能になるという。

 この金融技術は、支払いやその他の銀行業務の効率を高めると称賛されてきた一方で、規制の必要性などから広範囲での利用には少なくともあと数年はかかるとみられているが、JPモルガンの発表は関連業界に衝撃を与えた。

 仮想通貨企業に投資しているベンチャー投資家のルー・ケルナー(Lou Kerner)氏は、ブロックチェーン技術が将来、インターネット同様にすべての産業に影響を与えると予測している。

 大手銀行は、金融技術関連の中小企業やクレジットカード業者のみならず、新たな決済方法で競い合うアマゾン・ドットコム(Amazon.com)やアップル(Apple)のような小売業者との激化する競争に直面している。

 JPモルガンのジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)最高経営責任者(CEO)は、仮想通貨のビットコイン(Bitcoin)を「詐欺」だと退けたことで有名。昨年はビットコインの価格が急落した。(c)AFP/John BIERS