【2月15日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は、北朝鮮の反ドーピング機関による検査プログラムが世界ドーピング防止規程(WADA Code)に準拠していないことを明らかにした。これにより、韓国が目指している2032年夏季五輪の南北共同開催が行き詰まる恐れが生じている。

 カナダ・モントリオールに拠点を置くWADAは、昨年9月に北朝鮮に対してドーピング問題の見直しに4か月の猶予を与えていた。しかし13日遅く、「不適格」を是正する期限が過ぎても、世界から孤立している同国から回答がなかったことを公表した。

 WADAは、「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の反ドーピング機関に関して、WADAは本日付けで非準拠とみなすことを発表する」と北朝鮮の正式名を使った上で、問題は検査プログラムの実施に関連したものであることを付け加えた。

 2032年夏季五輪の誘致では開催都市に北朝鮮の首都平壌が含まれるとみられており、WADAの今回の決定によって南北共同開催を目指す韓国政府のもくろみが暗雲に包まれている。開催地に立候補する国は、ドーピング防止規程の順守が絶対条件となっている。

 さらに、五輪や国際大会ではWADAの規定を順守していることが「出場するための条件」となっており、北朝鮮のアスリートはそれらの大会から除外される可能性にも直面している。

 WADAによると、15日にスイス・ローザンヌ(Lausanne)で開かれる国際オリンピック委員会(IOC)の会合で、この問題が話し合われることになっている。会合では南北朝鮮のスポーツ関係者が出席し、立候補の意思を伝える予定となっているという。(c)AFP