【2月13日 AFP】オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は13日、物議を醸して昨年10月に閉鎖された同国領クリスマス島(Christmas Island)の難民収容施設を再開すると発表した。

 再開が承認されたのは、豪西部パース(Perth)の北西約2300キロのインド洋、インドネシア・ジャワ(Java)島の南に位置するクリスマス島の収容施設。一時は数千人が収容され、その劣悪な環境に不満を募らせた人々が暴力的な抗議行動を行った。

 豪連邦下院は12日、島国ナウルとパプアニューギニア・マヌス島(Manus Island)の施設に収容されている1000人のうち、2人以上の医師が治療を受けさせるよう要請した人の豪州への移送を認める法案を政府の反対を押し切って可決していた。この法案は政府が提出し昨年12月に上院で可決されたが、その後一部が修正されていた。上院も13日に同法案を可決した。

 モリソン首相は、法案はすでに収容されている人のみを対象とするという指摘を一蹴し、野党は「国境管理を弱体化」しようとしていると批判。この法案によって不法入国を試みる人が増えると主張した。豪州の政権として実体法の下院の採決で1929年以来となる敗北を喫したモリソン政権だが、それでも難民に対する強硬姿勢は維持している。(c)AFP/Andrew BEATTY