【2月12日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の成都ジャイアント繁育研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda)で9日、パンダ観覧エリアの柵から女児が転落した。ジャイアントパンダ数頭が女児に近づくなどの場面があったが、女児は無事に保安スタッフに救出された。

 撮影された動画では、赤い服を着た女児が転落した際、エリアではパンダが活動中だった。パンダが女児に近づき、周囲の来場客が大声で叫んでいた。

 女児が転落した柵の反対側は約2メートルあり、2頭のパンダが女児を見守る中、基地のスタッフと思われる男性が竹ざおを伸ばし、女児を救助しようとしたが、女児は滑りやすい竹ざおをつかめず、パンダが近づいてくるタイミングで、柵から半身乗り出した男性の手をつかんで救出された。

 研究基地のスタッフによると、女児は大きなけがもなく、パンダも特に驚いた様子や危害を加える様子もなかったという。

 春節(旧正月、Lunar New Year)期間中、同市のジャイアントパンダ基地には多くの観光客が訪れており、9日午前11時時点の来場者は3万人を超えていた。

 かわいらしいパンダに危険性はないのか。記者が調べたところ、近年、動物園のパンダに参観者が襲われる事件が相次いでいる。北京動物園(Beijing Zoo)では2009年、男性がパンダ園の柵内に子どもの玩具を落とし、拾おうとして柵内に侵入した際にパンダに足をかまれてている。また16年には、パンダ飼育員が野生化保護訓練中のパンダに襲われている。

 北京市の法律事務所の周浩(Zhou Hao)弁護士によると、中国の「侵害権責任法」では、動物園の動物が参観者などに危害を与えた場合、責任は動物園側が負うことになるが、動物園の管理問題が証明されなければその責任を負うことはないと説明している。(c)東方新報/AFPBB News