【2月12日 AFP】「超加工食品」の消費と死亡リスクとの関連性を初めて示したフランスの研究チームによる論文が11日、米国医師会(AMA)の医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」に掲載された。一方で論文は、超加工食品が死亡リスクを高める仕組みを特定するには、さらなる調査が必要だと指摘している。

 超加工食品は高温で処理された調理済み食品などで、乳化剤などの添加物や塩分、糖分を多く含む。

「ニュトリネット・サンテ(NutriNet-Sante)」と題された研究は、2009年から17年にかけて大半を女性とする45歳以上の4万5000人を対象に行われた。被験者たちには6か月ごとにオンライン上で、24時間以内に飲食したものに関して3種類のアンケートに回答してもらった。

 結果は、調査期間中の超加工食品の摂取量増加と死亡リスク増加の間に、わずかながら関連性が認められた。調査開始から7年後までに被験者の約600人が死亡したが、超加工食品の摂取率が10%増加すると死亡率も15%増加していたという。

 しかし、論文共著者のマチルド・トゥビエ(Mathilde Touvier)氏は「この結果を大げさに騒ぎ立てるべきではないし、パック入り加工食品を食べると死亡率が15%高まると言うつもりもない」とくぎを刺し、研究結果は「超加工食品と健康との関連性について、私たちの認識を一歩進めたもの」との認識を示した。

 トゥビエ氏は、数字よりも、統計学的に著しい関連性が存在すると判明したことが重要だと指摘。今回の結果は健康と栄養に関する大規模研究「ニュトリネット・サンテ」の一部にすぎないと説明した。

「ニュトリネット・サンテ」は、パリ第13大学(Paris 13 University)で栄養疫学研究チームを率いるトゥビエ氏が管轄し、フランス国立保健医学研究所(INSERM)、フランス国立農学研究所(INRA)、フランス国立工芸院(CNAM)からも研究者が参加している。(c)AFP/Ivan Couronne