【2月11日 AFP】アルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)は10日、スウェーデンのオーレ(Are)で女子滑降が行われ、現役最後のレースに臨んだリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)は銅メダルで有終の美を飾った。優勝したイルカ・シュトヘツ(Ilka Stuhec、スロベニア)は同種目2連覇を果たした。

 W杯通算82勝を記録し通算20個の年間タイトルに輝くなど、女子スキーヤーとして史上最高のキャリアを誇るボンは、1分2秒23を記録して一時はトップに立ったが、その後シュトヘツと銀メダルに輝いたコリーヌ・スッター(Corinne Suter、スイス)に抜かれ3位となった。

 ユーロスポーツ(Eurosport)に対してボンは、「ものすごく楽しかった。文字通り人生で一番緊張した」「完走、優勝、観客の大歓声を聞くこと、クラッシュしないことが目標だった」とコメントした。「いつも全力を尽くし限界にチャレンジしてきた。攻めすぎて最後のレースで転倒しないよう心がけた。それは最低の悪夢だから」

 これでボンは世界選手権6大会でメダルを獲得。チェーティル・アンドレ・オーモット(Kjetil Andre Aamodt)氏、マルク・ジラルデリ(Marc Girardelli)氏、アクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal、ノルウェー)に肩を並べた。

 この日のレースはボンが破ることができなかった通算86勝のW杯歴代最多記録を持つインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏が観戦。なお、34歳115日でのメダル獲得は世界選手権では女子史上最年長となった。

 一方、レース前から注目がボンに集中する中で、1989年のマリア・バリザー(Maria Walliser)氏以来となる女子滑降の連覇を達成したシュトヘツは「良い時も悪い時もあったけれど、今私はまたここにいる。素晴らしい滑りをする女子選手はたくさんいる。どのレースも差は非常に小さく、全員にチャンスがある」と話した。

「自分が速く滑ることができるのは分かっていた。自信を持って自分に過度なプレッシャーをかけないようにするだけだった。スキーを楽しむ。それだけ」 (c)AFP/Luke PHILLIPS