【2月10日 AFP】インド北東部で9日、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)同国首相の訪問に合わせ、激しい反発を巻き起こしている国籍に関する法改正案への抗議デモが2日連続で行われた。

 同国北東部のアッサム(Assam)州、アルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州、トリプラ(Tripura)州を訪れる予定のモディ首相は8日、最初の訪問地であるアッサム州の州都グワハティ(Guwahati)に到着すると、強い侮辱とみなされている黒旗による抗議で迎えられた。

 デモ参加者は黒旗を振ったり、モディ首相をかたどった人形を燃やしたりしたほか、一部の学生は州政府庁舎前で、全裸姿で抗議した。

 モディ首相率いる右派与党・人民党(BJP)は、1955年に制定された市民権法の改正を提起。アフガニスタンやバングラデシュ、パキスタンといったイスラム教徒が多数を占める隣国から逃れてきたヒンズー教徒や宗教的少数派らにインド国籍を与えるというもの。

 3300万人の人口を抱えるアッサム州では、少数民族および先住民と外部からの移住者との間で、数十年にわたり緊張関係が続いており、移住者には、隣国バングラデシュから流入してきたイスラム教徒やヒンズー教徒が多数含まれており、改正案は同地で激しい反発を受けている。

 ただモディ首相は、改正案がアッサム州とその近隣州に害をもたらさないように政府が取り計らうと主張している。

 アッサム州の一部グループは外部からの移住者の阻止を望んでいる一方、人権団体は政府の改正案の対象にイスラム教徒が含まれていないと非難。人権団体によると、世俗主義を公式に掲げるインドで、宗教が国籍取得の基準とされるのは今回が初めてだという。

 同国では4月から5月にかけて総選挙の実施が見込まれており、専門家らによると、上院の承認を待つ市民権法の改正により、BJPは北東部諸州で大きなダメージを受けると予想されている。(c)AFP