【2月10日 AFP】(更新)シリアで米軍の支援を受けてイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘を続けるクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は9日、ISをシリア東部の最後の拠点から掃討する「最後の戦い」を開始したと発表した。SDFは10日、IS側と激しい戦闘を繰り広げた。

 ISは2014年にシリアと隣国イラクの広域を制圧し、「カリフ制国家」の樹立を宣言。最盛期の支配地域はほぼ英国の面積に相当するほどだったが、シリア軍や米主導の有志連合軍らが多面的な軍事攻撃を実施した結果、勢力は分散し、残る拠点はわずかとなっている。

 直近の数か月には、有志連合による空爆支援を受けたSDFが東部デリゾール(Deir Ezzor)県に残ったIS最後の拠点における戦闘で優位に立った。

 9日の声明によると、SDFは攻撃を10日間中断して民間人2万人以上を避難させ、バグズ(Baghouz)村に残った4平方キロメートルほどのIS拠点地区で9日夜にIS残党の掃討作戦を再開したという。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、SDFは有志連合による空爆や砲撃の支援を受けながら前進。SDFの指揮官は「激しい衝突」があったと報告している。

 SDFのムスタファ・バリ(Mustafa Bali)報道官はAFPに対し、掃討地域に残るIS戦闘員は最大で600人とみられ、そのほとんどは外国人だと語った。民間人も数百人残っているとみられ、彼らを直接安全な避難路へ誘導するため特殊部隊が準備しているという。(c)AFP/Maya Gebeily