【2月10日 AFP】アルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2019)は9日、スウェーデンのオーレ(Are)で男子滑降が行われ、チェーティル・ヤンスルード(Kjetil Jansrud)が優勝した。また、今大会限りでの引退を表明しているアクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal)は有終の銀メダルを獲得し、ノルウェー勢がワンツーフィニッシュを果たした。

 レースは前夜の雪とその後の霧の影響で、スーパー大回転と同等の距離に短縮されて行われた。その中で、1月の練習中に左手の指の骨を2本折り、手をストックに固定して試合に臨んだヤンスルードは、33歳にして間違いなく人生最高と言える滑りを披露し、1分19秒98のタイムをマークしてスビンダルとの争いを100分の2秒差で制した。2014年のソチ冬季五輪でスーパー大回転の金メダルを獲得しているが、世界選手権のタイトルは自身初となった。

 ビンセント・クリヒマイヤー(Vincent Kriechmayr、オーストリア)が0秒33差の3位に入り、銀メダルを獲得したスーパー大回転に続いて表彰台入りを果たした。

 ヤンスルードは「アクセルとはこれまで何度も表彰台を分け合ってきたけど、彼の最後のレースとなる世界選手権でもそれができて光栄だ。完璧な一日だ」と話した。

「選手は自分を信じて戦い続けないといけない。練習中の手のことがあった後は、なおさら懸命に戦わないといけなくなった」「何か秘訣(ひけつ)があるわけじゃない。アルペン選手として毎日戦って、それで勝つこともあれば、そうじゃないときもある」

 スビンダルは、レース前にはかなりの緊張に襲われたことを認め、「予想以上だった。自分にメダルを取る力があるのは分かっていたが、きょうそれを出せるかとなると話は別だ」「本番までの2、3日は緊張していたが、最後のレースで持っているすべてを出したかった。最高の見せ場をつくれた」とコメントした。(c)AFP/Luke PHILLIPS