【3月12日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)が閉幕した後、大方の予想では同国内における一連のサッカーブームが続かず最新鋭のスタジアムはすぐに「無用の長物」となり、国は維持費を賄えなくなると考えられていた。しかし、1か月に及ぶサッカーの祭典が終了してから約半年が経過した現在、一部のスタジアムは多くのファンを引き付けており、観客動員数の伸び率は天井知らずになっている。

 ロシアはW杯開催に向けてスタジアム建設やインフラ整備に100億ドル(約1兆1200億円)以上を費やし、11の開催都市では新スタジアムの建設や既存会場の改修工事が行われた。新スタジアムが建てられた7都市のうち、ボルゴグラード(Volgograd)、ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)、サランスク(Saransk)に本拠地を置く2部リーグの3チームは、2018-19シーズンの集客が記録的な数字に上った。

 統計によるとボルゴグラードでは、今季開幕からホームゲームで一試合平均2万2000人以上を記録。ニジニーノブゴロドでは平均2万人弱で、サランスクでは平均1万5000人近くが観戦に訪れているという。

 1部リーグの観客数も急激に伸びており、ウインターブレークに突入した昨年12月には、前年比で約30パーセント増の一試合平均1万7000人を動員。旧ソ連時代の吹きさらしで時代遅れのスタジアムとは雲泥の差の最新鋭スタジアムに関して、国内メディアでは連日満員になっているというニュースが嬉々として伝えられている。

 昨年8月には、ボルガ川(Volga River)とオカ川(River Oka)の合流地点に位置する4万5000席を誇るニジニーノブゴロドのスタジアムに3万1000人が集まり、アヴァンガルト・クルスク(Avangard Kursk)が地元チームを1-0で下した試合を観戦した。観戦チケットの料金が、200ルーブルから400ルーブル(約340円から680円)の間に設定されているのも魅力となっている。