【2月7日 AFP】(更新)内戦により空港が封鎖されているイエメンの首都サヌア近郊で、結合双生児が誕生した。医師らが国外での専門医による分離手術の必要性を訴えていたところ、サウジアラビアの医療チームが6日、受け入れを申し出た。

 サヌア市内の病院によると、10日ほど前に生まれた双子の男児は、腎臓と脚部を共有している。心臓と肺はそれぞれ独立しているという。

 この病院の小児科長を務める医師は、臀部(でんぶ)の結合した双生児の治療や分離手術に適した医療設備がないとAFPの取材に説明。「できるだけ早く国外へ移送したい」と述べていた。

 これを受けて、サウジアラビアのサルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)のアブドラ・ラビーア(Abdullah al-Rabeeah)所長は6日夜、双生児を受け入れるために担当班を結成したと発表。

 国営サウジ通信(SPA)はラビーア所長の話として、双生児をサヌアからサウジへ「できる限り早く」移送するため調整が行われていると報じている。さらに同所長は、担当班が分離の可能性について検討していくとしている。

 イエメンでは2015年以降、サウジアラビア主導の連合軍が支援する暫定政権と、イランが支援するイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)の戦闘が激化し、医療体制が崩壊。

 サヌアはフーシ派が実効支配しているが、首都の玄関口である国際空港は、イエメン全土の制空権を握るサウジ主導の連合軍が封鎖している。治療のために患者を出国させるには、移動の面で非常に大きな課題がある。(c)AFP