【2月7日 AFP】ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)は6日、最近のトーナメントにおいて、キャディーの位置取りをめぐり選手が罰打を受けて物議を醸した問題が2件続いたことを受け、新規則に関する明確な解釈を示した。

 前々週行われた欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシック(Omega Dubai Desert Classic 2019)では李昊桐(Haotong Li、中国)が、先週の米ツアーのウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン(Waste Management Phoenix Open 2019)では、デニー・マッカーシー(Denny McCarthy、米国)が2打罰を受けた。

 両者が遭遇した問題は、今季から導入された規則10.2b(4)で定められた、選手がストロークに入った際のキャディーの位置取りをめぐる混乱から起きたものだった。新しく施行された規則では、選手がボールへのアドレスをいったん開始した場合、キャディーは(ターゲットと球の後方線上となる)選手の後ろに立つことが禁じられている。

 李はパットのスタンスに入り始めた後、キャディーが同選手の元へ動いたとして反則を取られ、マッカーシーも同様の違反で罰打を受けた。李への制裁について、R&Aが試合後に規則に基づく正しいものだったという認識を示したのに対し、マッカーシーへのペナルティーに関しては、同様の違反が見られた他の選手が反則を取られていないことから、大会側が処分を取り消した。

 こうした状況を受けてR&AとUSGAは同日、混乱に白黒つけるべくコメント文を発表し、ルール適用に関する明確な見解を示した。それによると、選手がスタンスを解いて後ろへ下がった場合、今後は「ストロークをするためのスタンス取りを開始したとはみなさない」とされている。

「従ってキャディーが球の後方線上に立っていなければ、コースのどこであろうと選手はスタンスを解いて後ろに下がることが可能となり、規則10.2b(4)に抵触することは避けられる」

 また、選手がストロークに向けたスタンスに入っていることをキャディーが「明確」に認識した上で、球から後方線の「上もしくは付近」に立っていた場合のみ、選手が罰打の対象になるという。

 USGAのガバナンス責任者であるトーマス・パジェル(Thomas Pagel)氏はコメント文で、「われわれが経験から学んでいることは、新規則を導入するにはバランスの取れた忍耐力に、必要なときは迅速に行動する意欲を持ち合わせることが求められる」と述べた。(c)AFP