【2月5日 AFP】欧州主要諸国は4日、南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が同国での大統領選実施の要求を拒否したことを受け、野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長(35)を暫定首脳として承認すると表明した。ベネズエラに対して選挙実施を求める国際社会の声がさらに強まった形。

 4日にグアイド氏支持を表明したのはスペイン、英国、フランスを含む欧州連合(EU)加盟15か国。一方でマドゥロ氏側に立つ主要国のロシアは、豊富な石油資源を有しながらも財政難に陥るベネズエラに対する欧州の「干渉」を批判し、「権力強奪の正当化」を試みる動きだと主張した。

 グアイド氏はツイッター(Twitter)で、自身への支持を表明したEU加盟国それぞれに対して、「わが国の民主主義、自由、そして公正を救うためのわれわれの闘争に参加する全ベネズエラ国民に対する支持」に感謝すると表明した。

 グアイド氏は先月23日に暫定大統領就任を宣言し、世界各国に衝撃を与えた。同氏は憲法に基づいた自身の正統性を主張しており、マドゥロ氏との緊迫した対立関係を生んでいる。

 自政権下でベネズエラ経済を崩壊させたマドゥロ大統領は、欧米・中南米諸国から独裁者とみなされている。マドゥロ氏追放を試みるグアイド氏は、暫定政権の樹立と新たな大統領選の実施を目指している。

 グアイド氏を承認した国は、フランス、ドイツ、英国、スペイン、ポルトガル、オーストリア、スウェーデン、エストニア、ラトビア、リトアニア、フィンランド、チェコ、ルクセンブルクなど。EU加盟国のうち10か国は今のところ立場を表明していない。

 EU加盟7か国はこれに先立ち、マドゥロ氏に対し、大統領選の実施を今月3日までに受け入れなければグアイド氏を承認すると警告。この期限が過ぎたことから、EU各国はグアイド氏支持を相次いで表明した。

 これを受けベネズエラ外務省は4日、グアイド氏承認はクーデター計画支援と同然だと主張し、EU各国との外交関係を「再検討」すると表明した。(c)AFP/Maria Isabel Sanchez with Marianne Barriaux in Madrid