【2月2日 AFP】ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州の町ラン(Rann)で今週、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」による襲撃があり、民間人少なくとも60人が死亡した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が1日、明らかにした。

 アムネスティのナイジェリア担当ディレクター、オサイ・オジホ(Osai Ojigho)氏は「少なくとも60人」が死亡し、衛星画像には避難民の使っていた建物が「大規模な焼き討ち」を受けた様子が写っていると述べた。

 オジホ氏は電子メールによる発表で「ラン町内で11人、町外で49人の遺体が見つかった」とし、約50人が依然として行方不明だと明らかにした。また、遺体埋葬のため現地入りした民兵10人のうちの1人の話として、ラン町外で見つかった遺体には銃痕があったと伝えている。

 オジホ氏は「紛争によってすでに避難民化していた民間人に対するこの攻撃は戦争犯罪に当たる可能性があり、この責任を負う者は裁きを受けなければならない」と述べた。

 ボルノ州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)から北東に約175キロ離れたランは昨年3月以降、4回にわたり襲撃を受けている。オジホ氏によると、今回の事件は、ボコ・ハラムによるラン襲撃としては過去最多の犠牲者数を出した。

 ランからは最近、約9000人が国境を越え隣国カメルーンに避難していたが、カメルーンが増援部隊をランに展開させ、避難民は送還された。しかしカメルーン軍の部隊は先月27日に撤退。国連(UN)によれば、新たな攻撃を恐れて3万人以上が町から避難した。

 AFPが入手した情報によると、残るナイジェリア軍部隊も、自軍より多数のボコ・ハラム戦闘員から襲撃された場合に撃退できないとして、ランから撤退していた。(c)AFP